私の中の偏見
BASE KOBE代表:繁内幸治
神戸で生まれ神戸で育った私にとって、エイズは最も避けるべきことでした。
神戸は、日本のエイズ史に残る、エイズパニックを起こしました。
当時、国の地方局で公務員をしていた私からすれば、エイズによって死ぬことが怖かったのではなく、「エイズ=ゲイ=社会的抹殺」という社会の目が怖かったことように思います。職場でもエイズに対する差別・偏見が横行していたように思います。
また、一人っ子故の家族、親戚からの結婚プレッシャーもありました。
友人からの感染告知を受けたときには、心が痛みました。感染リスクのある行為をしている自分と向き合えなかったことに悩みました。
いま、陽性者の皆さんの支援の活動をしているのは、自分の中に潜む差別・偏見への戒めかもしれないとふと思います。
心の中に潜む差別・偏見が、ともに生きる社会を疎外しています。それに気付くことができたとき、HIVであろうがなかろうが、人として、心豊かに生きる意味を感じることができるのかもしれません。