小さな対話を続けたい 〜「HIV陽性者の本」の話〜
明治大学ヒューマンライブラリー「HIV陽性者の本」担当 KS
ヒューマンライブラリーというイベントをご存知でしょうか。
様々な障害を持った人やマイノリティに属する人が、自分のストーリーを、
「本」として借り手に30分程度語る、いわば人間図書館のようなイベントです。
アルビノや血管腫といった見た目に関わるものや、様々な依存症、
セクシュアルマイノリティーや難民といった人が、この日だけは「本」になるのです。
様々な障害を持った人やマイノリティに属する人が、自分のストーリーを、
「本」として借り手に30分程度語る、いわば人間図書館のようなイベントです。
アルビノや血管腫といった見た目に関わるものや、様々な依存症、
セクシュアルマイノリティーや難民といった人が、この日だけは「本」になるのです。
いくつかの大学などで開催されているイベントですが、一昨年から、
僕は「HIV陽性者の本」として、明治大学のヒューマンライブラリーに並ぶことになりました。
年に一度、一日だけのイベントなので、「本」である僕を借りてくれるのは十人足らず。
数人のグループで借りてくれたとしても十数人くらいです。
HIVの理解促進と言う意味では、非常に効率の悪い作業です。
でも、僕は「本」になることにとても魅力を感じています。
絶対と言えないところが語り手としては拙いところですが、多くの借り手の方は、
対話を通して「納得」してもらえるからなのではないかと思っています。
1対1だから、借り手はHIVに関する何が知りたいのかをダイレクトに投げることができて、
僕も経験の中からダイレクトに投げ返すことができるからだと考えています。
たくさんの人を相手に講演することと並行して、こうしたもう少し知りたい人のための
機会が増えるといいなぁと願っています。
そのときには、僕以外の「HIV陽性者の本」が何冊かあるともっといいですね。
今年は世界エイズデーの翌日に開催されるそうで、タイミング的にも、
どんな対話ができるのか、本当に楽しみです。