企画制作:MTVステイング・アライブ財団
制作協力:(公財)日本国際交流センター/グローバルファンド日本委員会
助成:日本財団
広報協力:コミュニティアクションおよび(公財)エイズ予防財団
コミュニティアクションでは、このビデオのメッセージをさらに多くの方にお伝えするため、日本語版と英語版の両方が入ったDVDを作成し、エイズ対策に取り組むNGO/NPOや行政機関、研究機関などに無料で貸し出しています。シンポジウム、講演会などの機会にご活用いただければ幸いです。
お問い合わせ、貸し出し希望は、コミュニティアクション実行委員会事務局(公益財団法人エイズ予防財団 info@ca-aids.jp)にご連絡下さい。
25歳未満の若者が平均すると毎日2000人以上、エイズの原因であるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染しています。
国連資料『若者とHIV』には次のような推計が紹介されています。
http://www.un.org/esa/socdev/documents/youth/fact-sheets/youth-hiv.pdf
・2011年には若者(15-24歳)が世界の15歳以上の新規HIV感染の40%を占めていました。
・HIV陽性の若者は2011年現在、世界で約500万人と推定され、さらに平均すると1日2400人が新たにHIVに感染しています。
・HIV陽性の若者が最も多い地域はサハラ以南のアフリカで推定360万人(78%)です。
《アジアでは》
サハラ以南のアフリカに次いでHIV陽性の若者が世界で2番目に多く暮らしています。(上記国連資料から)
・アジア太平洋地域のHIV陽性の若者は推定55万人です。
・年間で約11万人の若者が新規にHIVに感染しています。1日平均約300人です。
《日本では》
2014年には20代の新規HIV感染者報告数が349人でした。国内でエイズ統計を取り始めた1985年以降で最も多かったということです。(エイズ動向委員会報告)
http://api-net.jfap.or.jp/status/2014/14nenpo/14nenpo_menu.html
東京都の報告でも2014年の20代の新規HIV感染者報告数は148件(前年比45件増)で過去最高でした。前年より30%以上増えています。
全年齢層でみると、エイズ動向委員会の2014年新規HIV感染者・エイズ患者報告は計1546件でした。年間1500件前後の報告が過去8年、続いています。その中で若い人たちの感染報告が増加傾向を示してきたことは気がかりです。
一方で、HIV/エイズの流行に対する社会的関心の低下も国内では指摘されています。関心が薄れ、なおかつ若者の感染に増加傾向が見られるとすると、それは予防のために必要な情報が10代、20代の人たちに届いていないからなのかもしれません。「エイズについて話そう」というメッセージがいまこそ必要です。
国内では現在、男性同性間の性感染が最も多い感染経路として報告されています。HIVに感染している人、感染の高いリスクに直面している人を支援することは、それ自体がエイズ対策に不可欠な要素であるだけでなく、予防対策の重要な手段としての機能もあります。感染が分かったときに何の支援も受けられないのでは、感染を心配する人が安心して検査を受けたいと思う気持ちにはなれません。
社会の中では、さまざまな性的指向を持つ人が生活していることを互いに理解する。それは効果的なエイズ対策の基盤となる考え方です。予防は排除ではありません。予防、治療、支援、そして理解。そのすべてが大切です。「黙っていないで、エイズについて話そう」には、そうしたメッセージもまた、込められています。
《All In》
10代の若者のHIV感染予防を目指し、『All In』という国際的キャンペーンが2015年2月から国連合同エイズ計画(UNAIDS)や国連児童基金(UNICEF)、グローバルファンド、MTVステイング・アライブ財団などを中心に実施されています。キャンペーン冊子は、10代の中でもとりわけHIV/エイズ対策の鍵を握る「キーポピュレーション」について次のように指摘しています。
『キーポピュレーションの中の10代;置き去りにされていないか』
世界的にキーポピュレーションの中でも10代の若者(ゲイ、バイセクシャルの少年、10代のトランスジェンダーの若者、性を売る10代、10代の薬物使用者)はHIV感染のより高いリスクにさらされている。こうした若者たちは社会的に排除されがちであり、差別や人権侵害を受けて必要なサービスからも閉め出されていることがしばしばある。キーポピュレーションの中での10代が抱える様々な現実に対応し、彼ら彼女らが暴力と差別を受けずに成長するだけでなく、安心してHIV検査やエビデンスに基づく治療、予防のプログラム、性と生殖に関する保健サービスを利用できるようにしなければならない。このことが、10代の若者に生活と健康への権利、差別を受けずに生きる権利を保障することになる。
冊子の日本語仮訳はこちらでご覧下さい。
http://miyatak.hatenablog.com/entry/2015/03/05/165510