
トランプ政権発足を受け、国際エイズ学会(IAS)が同じ日付で2件の声明を発表
米国のドナルド・トランプ大統領は1月20日の政権発足から多数の大統領令に署名し、世界は早くもその対応に揺れている印象です。
国際エイズ学会(IAS)も1月25日に以下2本の声明を同じ日付で発表しました。
・グローバル・ギャグルールが悲惨な影響をもたらすことを警告
・PEPFAR凍結が何百万もの人の生命を危機にさらす
国際エイズ学会(IAS)も1月25日に以下2本の声明を同じ日付で発表しました。
・グローバル・ギャグルールが悲惨な影響をもたらすことを警告
・PEPFAR凍結が何百万もの人の生命を危機にさらす
グローバルギャグルールは、妊娠中絶を支援する組織に対し米国の国際援助資金を提供しないという政策で、レーガン大統領以来、歴代の共和党政権がと採用し、民主党政権では撤廃という変遷をたどってきました。
第一次トランプ政権はこのルールを復活させただけでなく、対象を拡大して、米国の超党派の看板政策の一つである米大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)にも広げてしまいました。
途上国には試練の4年間でしたが、その悪夢が再来するということでIASは25日にまず、1本目の声明を発表しています。
2本目は、すでに継続中のPEPFARプログラムの資金についても、その援助がトランプ大統領の外交政策目標に沿ったものかどうかを確認するまで凍結するという「業務停止命令」が出されたことに対する非難の声明です。
この命令により、PEPFARの資金で抗レトロウイルス治療を受けている途上国のHIV陽性者の多くが、治療を続けられなくなる恐れがあります。IASのベアトリス・グリンステイン理事長はPEPFARについて「2000万人以上に命を救う抗レトロウイルス薬を提供しています。資金援助が停止されれば、実質的にHIV治療ができなくなるのです。多くの人が亡くなり、HIV感染は再び急拡大するでしょう」とコメントしています。
1本目の声明に関してはある程度、予測して事前に準備していたものの、2本目は予想外だったので、同じ日付で2つの声明を出すことになってしまったのではないかと推測できそうです。
「米国ファーストもいい加減にしてくれ」という悲鳴が早くも聞こえてきます。2つの声明の日本語仮訳(コミュニティアクション編集部訳)のPDF版は こちら で。