ヒラリー・クリントン米国務長官がエイズ政策で演説

 米国のヒラリー・クリントン国務長官が11月8日、メリーランド州ベセスダの国立衛生研究所で、「Creating on AIDS-Free Generation」をテーマに演説を行いました。日本語に訳せば、「エイズのない世代を実現しよう」といったところでしょうか。地球規模のHIV/エイズ対策に関し、米国の新たな政策目標を示すとともに、各国にも協力を求める内容です。
 http://www.state.gov/secretary/rm/2011/11/176810.htm

 演説全文の日本語訳は手元にありませんが、米国務省が政策部分の内容を要約したファクトシートについては、AIDS&Society研究会議HATプロジェクトのブログに日本語仮訳が掲載されています。
 http://asajp.at.webry.info/201111/article_1.html

 そのファクトシートによると、「エイズのない世代」についてクリントン長官は次のように説明しています。

 《すべての赤ちゃんがHIVに感染することなく生まれ、さまざまな予防手段のおかげで10代や成人してからも現在よりはるかにHIVに感染するリスクは低い。また、HIVに感染したとしても、自らのエイズ発症と他の人への感染を防ぐことができるような治療へのアクセスが得られる》

 「エイズのない世代」というよりも、「エイズの流行をきちんとコントロールし、対応できる社会で暮らせる世代」といった感じでしょうか。それをインパクトの強いスローガンにすると「AIDS-Free」ということになるのでしょうね。

 演説では、そうした状態を実現するために、科学的根拠に基づく介入策の推進を強調し、鍵となる3つの手段として「母子感染の防止」「自発的な男性の割礼手術の拡大」「予防としての治療の規模拡大」をあげています。

 ただし、それぞれの手段が単独で「AIDS-Free」を実現できるわけではなく、3つの手段を互いに組み合わせ、さらにコンドーム使用などこれまでの予防策と組み合わせることによって初めて目標を実現できるとも指摘しています。また、クリントン演説を歓迎する声明を発表したUNAIDSは、その声明の中で「治療アクセスの拡大」がもたらす予防対策上の効果については、次のように述べています。
 http://asajp.at.webry.info/201111/article_2.html

 《予防のために治療が有する潜在的な影響の大きさは、検査に対する見方を変え、コミュニティをつなげ、何百万のもの人が自らのHIV感染の有無を確認したり、パートナーとHIVについて話したりすることの大きな動機づけとなるであろう》

 「予防としての治療」といったことを考える際には、このあたりのは微妙なニュアンスもきちんと抑えておく必要がありそうです。