http://www.ptokyo.com/scholarship/
HIV/エイズに関連するさまざまな分野の最新情報を得ることができる学会の場にHIV陽性者が参加しやすくなるよう、学会参加登録料・宿泊交通費の一部を補助するスカラシップは、2006年の第20回学会(東京)からはじまり、今年で7回目になります。現在は社会福祉法人はばたき福祉事業団、特定非営利活動法人ぷれいす東京、特定非営利活動法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラスの3団体が実行委員会を作って運営しています。
実行委員会のサイトによると、スカラシップを受けて学会に参加したHIV陽性者は過去6年間(つまり6回)の学会でのべ299人になります。委員会では各学会の終了後、受給者からの参加レポートを中心にした報告書を作成し、その報告書の発行にあわせて報告会も行っています。報告書は実行委員会を構成する3団体で閲覧可能なほか、第23回学会(2009年)以降は上記サイトからpdf版をダウンロードすることもできます。
世界のHIV/エイズ政策は、GIPA(HIV陽性者、HIVの流行に大きな影響を受けている人たちのより積極的な参加)という国際的に合意された大きな原則のもとで進められています。日本の対策も当然、GIPA原則という大きな世界の枠組みのもとで実施することが基本とされてきました。
しかし、HIV陽性者やHIVの流行に大きな影響を受けている人が、現実に政策の企画、立案、実行、評価のあらゆる段階で積極的に参加できるようなかたちになるには社会の理解と政策遂行上のさまざまな配慮が必要になります。国際的には、現行の法律や政策の再検討を迫られるケースもしばしばあります。
一方で、HIV陽性者、HIVの流行に大きな影響を受けた人たちにも、有効な関与を可能にするだけの知識と経験と意思が求められることも少なくありません。エイズ学会への参加促進はそのGIPAの観点からも極めて重要な試みとして高い評価を受けています。
GIPAについては、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の「HIV陽性者とのパートナーシップ」に詳しく説明されています。エイズ&ソサエティ研究会議のHATプロジェクトのブログに日本語仮訳が掲載されているので、ご覧ください。
http://asajp.at.webry.info/201208/article_2.html