世界基金支援へグローバル・ファンド・アップデート創刊

 世界のHIV/エイズ関連のニュースや動向情報を幅広く伝えるメルマガ「グローバル・エイズ・アップデート」を発行しているアフリカ日本協議会が、姉妹編としてメルマガ「グローバル・ファンド・アップデート」を創刊し、配信を開始しました。世界経済が停滞する中で試練に直面している世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金=グローバルファンド)について、改革の動きなどをほぼ月刊で紹介していくということです。

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 世界基金は2000年7月の九州沖縄サミットで議長国の日本から最初のコンセプトが提案され、翌01年6月の国連エイズ特別総会などで各国の賛同を得て02年1月に発足しました。今年が創設10周年となります。過去10年、世界のエイズ・結核・マラリア対策に必要な資金を供給し、地球規模の感染症対策と途上国の開発に多大な貢献をはたしてきました。しかし、最近は世界の経済危機が進む中で、資金環境も厳しさを増しており、グローバル・ファンド・アップデート創刊号(9月4日)によると《時代の最先端を担う国際機関を目指して改革に取り組んで》いるところです。

 創刊号は《ポスト「ミレニアム開発目標」時代の国際保健への資金拠出機関を目指して=世界エイズ・結核・マラリア対策基金の「大改革」とは?=》という連載の第1回《「世界基金改革」とは何か》を中心にインタビューなどで構成されています。

 連載によると《世界基金が現在取り組んでいる「改革」は、これまでの世界基金のあり方や仕組みを大きく変え、ポストMDGs時代におけるエイズ・結核・マラリア対策に適した資金拠出機関のあり方を模索しよう》というものです。

 世界基金に関しては、わが国も資金拠出に力を入れており、日本の外交戦略の観点からも改革の動きをフォローしていくことは重要です。世界基金支援日本委員会も昨年から公式サイトで日本語による情報提供を充実させており、今回のアフリカ日本協議会のメルマガ創刊とあわせ、国内でもかなり立体的に世界基金改革の動きを把握できる情報環境が整ってきました。

 世界基金支援日本委員会のサイトはこちらです。
 http://www.jcie.or.jp/fgfj/top.html

 HIV/エイズを初めとするグローバルな感染症対策は、多くの人の理解に支えられて初めてを有効なかたちで機能することが可能になります。その意味で、情報インフラの充実は不可欠というべきでしょう。国内のHIV/エイズ対策でコミュニティアクションが目指していることと、課題を共有する動きということもできます。国際保健のフィールドでも、こうした積極的な動きが民間レベルで続けられていることは大いに評価したいですね。