検証の秋 第19回国際エイズ会議を読む

 ようやく厳しい残暑も終わり、秋になってきたようです。米国では実に22年ぶりの開催となったワシントンDCの第19回国際エイズ会議(AIDS2012、7月22日〜27日)について、日本から参加した人たちのレポートを聞いたり、読んだりできる機会がこのところ、急に増えています。少し紹介しておきましょう。

 まず、今週は東京で報告会が2つあります。イベント情報にも掲載されているので、そちらもご覧ください。

・エイズ&ソサエティ研究会議第111回フォーラム「国際エイズ会議報告 始まったのは何だろう」
 9月19日午後6時半〜8時、ねぎし内科診療所で。始まったのは「エイズの流行の終わりの始まり」なのか。それとも別の何かだったのか。お祭り騒ぎが少しクールダウンして秋を迎えたいまこそ、その検証の時なのかもしれませんね。詳細はHATプロジェクトのブログでご覧ください。
 http://asajp.at.webry.info/201208/article_3.html

・akta Talk Show -HIVの今を知る! vol.4-「世界の中のHIV-国際エイズ会議inワシントンD.C.から」
 9月22日(土)午後7時〜9時、コミュニティセンターaktaで。国際エイズ会議参加者をゲストに迎え、世界のHIVをめぐる動向を共有して国内やアジア、コミュニティでの今後の取り組みについて考える。akta公式サイトのスケジュール欄をご覧ください。
 http://www.akta.jp/schedule/index.html

 参加者が2万人を超える大会議なので、評価にも多様な視点があり得るはずです。両方の報告会に出席することで会議の位置づけやエイズ対策の今後の展開がより明確に把握できるようになる。そんな相乗効果も期待できる秋の陣幕開けのイベントですね。

 ネットで見ることができる会議報告としてはまず、API-Net(エイズ予防情報ネット)の派遣事業参加者によるレポートがあります。平成24年度の厚労省エイズ予防対策事業の中で、今回の会議には国内から10人が会議登録料や旅費の一部の助成を受け、参加しています。その10人の報告をこちらで読むことができます。
 http://api-net.jfap.or.jp/library/societyInfo/world_aids_2012/world_aids_2012.html

 また、AIDS & Society研究会議のHATプロジェクトのブログには第19回国際エイズ会議関連のプレスレリースやスピーチなどの日本語仮訳が掲載されています。

 ワシントンDC宣言に署名を呼びかけ
http://asajp.at.webry.info/201207/article_2.html

「力を合わせて流れを変えよう」エイズ流行の終結に向けたワシントンDC宣言日本語仮訳
 http://asajp.at.webry.info/201207/article_3.html

 UNAIDS報告書「Together we will end AIDS」プレスレリース
 http://asajp.at.webry.info/201207/article_4.html

 エイズ流行の歴史的決定期に際し、国際エイズ会議が米国で22年ぶりに開幕
 http://asajp.at.webry.info/201207/article_5.html

 「エイズの流行に終わりを」 ジム・ヨン・キム世銀総裁AIDS2012開会式演説
 http://asajp.at.webry.info/201207/article_6.html

 世界のエイズの流行 主なファクト
 http://asajp.at.webry.info/201208/article_1.html

 頼まれもしないのに・・・とあきれる人もいるようですが、これだけでも国際的なHIV/エイズ対策の現状、および課題がかなり把握しやすくなります。もうひとつ。こちらも忘れることのできないスピーチですね。

 第19回国際エイズ会議でエルトン・ジョンさんが演説
 http://miyatak.iza.ne.jp/blog/entry/2775777/

 掲載されているブログは別ですが、先ほどのジム・ヨン・キム世銀総裁の演説と同じ人が訳したようです。