第27回日本エイズ学会学術集会「HIV陽性者参加支援スカラシップ」

 HIV陽性者を対象に日本エイズ学会学術集会への参加を支援する「HIV陽性者参加支援スカラシップ」の募集が今年もスタートしました。応募締め切りは9月30日(月)です。
 http://www.ptokyo.com/scholarship/scholarship2013.html

 今年は第27回日本エイズ学会学術集会・総会が11月20日(水)〜22日(金)に熊本市で開かれる予定です。スカラシップはその参加登録料と交通費・宿泊費を助成します。応募用紙は上記サイトからpdf版がダウンロードしてください。

 この制度は2006年の第20回学会から始まったもので、現在は社会福祉法人はばたき福祉事業団、特定非営利活動法人ぷれいす東京、特定非営利活動法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス、公益財団法人エイズ予防財団によるHIV陽性者参加スカラシップ委員会が運営。第27回学会最終日の11月22日午後には学会プログラムとして、会場でスカラシップ恊働シンポジウム「治療と社会的偏見の解消」が開かれます。

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「治療と社会的偏見の解消」
11月22日(金)13:10〜14:30 於 第1会場・市民会館ホール
座長:大平勝美(はばたき福祉事業団)
   長谷川博史(日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス)
演者:高久陽介(日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス)
   生島嗣(ぷれいす東京)
   後藤智己(はばたき福祉事業団)
   健山正男(琉球大学)
   井上洋士(放送大学)

 近年の治療の驚異的な進歩と福祉制度の整備によって、HIV感染に伴う健康上の困難さは以前に比べて次第に薄れつつあります。一方で、検査や治療へのアクセスが確保されなければ、エイズ発症により生命の危険や予後への悪影響があることに変わりはありません。
 日本におけるAIDS患者(エイズ発症によってHIV感染が判明する人)の割合は、この数年間変わっておらず、HIV感染者本人の検査や治療へのアクセスは、現在もなおエイズ対策における重要課題であると言えるでしょう。
 しかし、エイズ発見から約30年が経過した現在でも、HIV/AIDSに対する社会の偏見は根強く、多くの人々にとってHIV/AIDSは直視することのない他人事であり、このことはHIV感染のリスクがありながら検査を受検しない要因と考えられています。また、医療現場におけるHIV感染者への診療拒否や差別事例や、地方におけるプライバシーへの不安など、HIV感染者自身が社会生活において直面する生きづらさとも深く関連しています。
 本シンポジウムでは、こうした現状についてHIV感染者の視点から見直し、治療薬など医学の進歩だけでは解決しないHIV/AIDSの問題、HIV患者のQOL等に関する課題を討議していきます。