各国政府や民間ドナーが120億ドルの拠出を誓約 世界基金第4回増資会合

 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の第4次増資会合が12月2日(月)、3日(火)の2日間、米国の首都ワシントンで開かれました。2014年から2016年までの3年間、エイズ、結核、マラリアの三大感染症の流行と闘うための世界基金の資金を確保するための会合で、参加国、民間財団、企業などのドナーから総額で120億ドル(約1兆2000億円)の拠出誓約がありました。

 2011〜13年の3年間のための第3回増資会合(2010年)の誓約額(92億ドル)に比べると、30%増となっています。過去10年余りの成果を踏まえ、三大感染症の克服に向けた国際社会の強い意思を示すかたちになりました。

 第4次増資会合のプレスレリースなどは世界基金支援日本委員会の公式FACEBOOKで英文ののほか、日本語仮訳も速報ベースで紹介されています。
 https://www.facebook.com/FriendsoftheGlobalFundJapan

 日本は3日に東京で安倍晋三首相が米国のジョー・バイデン副大統領と会談した際に、3年間で8億ドルを拠出する意向を明らかにし、米東部時間同日午前にはワシントンでも増資会合の誓約セッションで政府代表から拠出誓約の発表が行われました。

 世界基金のプレスリリースには日本の貢献に対するマーク・ダイブル世界基金事務局長の感謝の言葉が以下のように紹介されています。

 《世界基金のマーク・ダイブル事務局長は「日本は世界基金の創設以来、力強い支援者でありパートナーであり続けてきました」と述べ 、「三大感染症との闘いにおける日本の役割は他に模範となるべきものであり、日本の人々による継続的な支援に心から感謝します」と語っています》

 なお、第4次増資会合における主要国の拠出誓約額速報は以下のようになっています。
  米国 40億ドル(他国拠出とのマッチングで最大50億ドル)
  英国 16億ドル
 フランス 15億ドル
  日本 8億ドル
  カナダ 6億1200万ドル

 (民間ドナー)
ゲイツ財団   3億ドル(他とのマッチングで追加最大2億ドル)
プロダクト(RED) 4000万ドル


   【世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)】
 HIVとエイズ、結核、マラリアの三大感染症との闘いを支援する新たな資金メカニズムとして2002年に創設。三大感染症の予防と治療の資金を各国政府、民間ドナーなどから集め、主に途上国の対策プログラムに配分している。効果の高いかたちで必要な人に支援が届くようにするため、政府、市民社会、民間企業、そして三大感染症の流行に影響を受けているコミュニティの連携と協力の促進を重視している。

 発足以来これまでに140カ国以上で1000件を超えるプログラムを支援しており、
 ・610万人のHIV陽性者に抗レトロウイルス治療を提供し
 ・1120万人の結核患者を診断、治療し
 ・マラリア予防のための殺虫剤処理をした蚊帳3億6000万張を配布している。

 世界基金の創設は、2000年の九州沖縄サミットで議長国の日本が、感染症対策のための新たな追加的資金の必要性を各国首脳に呼びかけたことがきっかけになったとされ、「日本は世界基金の生みの親」として評価されることも多い。