「HIVとエボラ」特設ページを開設 UNAIDS公式サイト

 西アフリカのエボラ出血熱の流行に国際社会が協力して対応するため、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の公式サイトに《HIV and Ebola update》というページが新設されました。とりあえずはミシェル・シデベ事務局長のビデオメッセージが掲載されているだけですが、これから情報が増えていくのではないかと思います。
http://www.unaids.org/en/resources/campaigns/20141022_ebola

 事務局長メッセージは3分間の簡潔なものですが、シデベ事務局長自身が、いままさに封じ込め対策にあたっているマリの出身であり、流行国のギニア、リベリア、シエラレオネにもしばしば訪れているだけに、極めて悲痛な表情で、世界が連帯して対応することを求めています。

 この中で、シデベ事務局長は、内戦後の復興過程にあるリベリアやシエラレオネがエボラの流行により、社会的なパニックモードに陥っていることにとりわけ心を痛めています。

 致死率が極めて高く、治療法もない感染症の流行に直面し、恐怖と不安の中で社会が深刻なパニックに陥っている点は、エイズの流行の初期にも経験してきたことです。今回のエボラの流行に対し、HIV/エイズ対策の経験から学ぶべき教訓として、事務局長は第一に正確なメッセージや情報を人々に伝え、このパニックモードを脱することの重要性を強調しています。人々が理解し合うこと、感染を防ぐこと、そして自らの身を守ることが大切だと訴えています。

 また、保健への投資はコストや支出ではなく、まさしく人々への投資であるということについて、50年以上もアフリカ諸国の政府の理解を得ることができないできた。こうした考え方が受け入れられない限り、将来もまた新たな危機に対応することはできないだろう。事務局長はこう語っています。リベリアの医師の数は人口9万人に1人。シエラレオネでは人口4万5000人に1人。米国では人口400人に1人。この大きなギャップの解消が大きな課題であることも最後に指摘しています。