グローバルファンド 730万人にHIV治療

 世界エイズ・結核・マラリア基金(グローバルファンド)が世界エイズデーの12月1日、これまでの支援成果をまとめ、発表しました。日本語による概要がグローバルファンド日本委員会のサイトに掲載されています。
http://fgfj.jcie.or.jp/topics/2014-12-01_2014results

 グローバルファンドは2002年1月に発足。2014年12月までの成果が集約されています。エイズ、結核、マラリアの三大指標での成果は以下の通りです。

 ・エイズ:抗レトロウィルス治療を受けたHIV感染者 730万人
(昨年末からの1年間で約130万人増加しました。20%増となります。)
 ・結核:新規に発見され治療を受けた結核患者 1230万人
(昨年末からの1年間で110万人増加しました。10%増です。)
 ・マラリア:マラリア感染予防のために配布された殺虫剤処理蚊帳 4億5000万張り
(1年間に約9000万張増え、昨年末比24%増です。)

 同じ12月1日の世界エイズデーに向けた国連事務総長メッセージには「現在、全世界で1400万人近くがHIV治療を受けています」という一節がありました。つまり2014年末時点で抗レトロウイルス治療(HIV治療)を受けている人の半数以上がグローバルファンドによって支援されたプログラムで治療へのアクセスが確保できるようになった人ということになります。目覚ましい成果ですね。

 グローバルファンド日本委員会のサイトには、「730万人という数字の背景」として、グローバルファンド発足以前のHIV治療をめぐる世界の状況が次のように説明されています。

 《先進国ではエイズ治療薬が普及し始めていましたが、貧しく保健インフラの整っていない発展途上国では、高価で難しいエイズ治療は無理だというあきらめに近い声が、専門家の間でさえ多くを占めていました。治療を受けている人はほぼ皆無だったのです》

 その状態から730万人が治療を受けられるところまでこぎつけました。それでもまだ、道半ばではありますが、目覚ましい成果というべきでしょう。