持続可能な開発目標(SDGs)のテーマ曲に ミュージックビデオ『恋のブギウギトレイン』お披露目

 アン・ルイスさんのシングル『恋のブギ・ウギ・トレイン』(作詞:吉田美奈子、作曲:山下達郎)が発売されたのは1979年でした。エイズという言葉がまだなかった時代ですね。医学者たちが「感染症の時代はもう終わった」などと言い始めていた時期でもあります。強がりばかり言って見事に将来を見誤るのはお医者さんの得意技なのかもしれませんね。まあ、それはそれで研究開発のモチベーションになるのなら良しとしましょう。

 ただし、周りの人がそれを真に受けて、一緒に踊りはじめるようなことになるとちょっと困ります。

 ブギウギももちろん、踊ってりゃあいいというものではありません・・・おっと、ちょっと軌道修正が必要かな。楽しく踊れることはもちろん大切です。踊ってりゃあいいというものではないけれど、この楽しさが実は地球上の様々な課題を解決するきっかけを与えることだってあるかもしれない。そう考えたいですね。

 というわけで、第25回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜の会場となった東京・南青山のスパイラルホールでは7月15日(金)、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を紹介するミュージックビデオ『恋のブギウギトレイン』のお披露目イベントが行われました。

 早見優さんがカバーする『恋のブギ・ウギ・トレイン』にあわせ、100人を超える人たちがブギウギ(かどうかは実は知らないのですが、とにかく楽しそうなダンス)を踊っています。ビデオの監督は著名な写真家のレスリー・キーさんが担当し、出演者は、えっ、こんな人も出ているのと驚くような顔ぶれ。具体的には国連広報センターのサイトに紹介されているのでご覧下さい。
 http://www.unic.or.jp/news_press/info/19803/

 Youtubeのミュージックビデオ動画はこちらでご覧になれます。

 SDGsは、昨年末まで15年にわたる世界の共通課題だったミレニアム開発目標(MDGs)に続き、国際社会が一致して取り組む開発分野の目標です。2015年9月に国連の持続可能な開発サミットで採択され、今年1月1日からスタートしました。「あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」「不平等と闘う」「気候変動に対処する」など17目標の達成年は15年後の2030年です。

 MDGsが途上国の開発に焦点があてられた目標だったのに比べると、SDGsは途上国、先進国をともに含むより幅の広い目標になっています。そのことが逆に総花的印象になってしまったせいか、日本国内ではまだ、周知度がかなり低めです。

 何とかできないものか・・・と思案に暮れていた国連関係の皆さん、ひいては日本国内を含む世界各地の皆さんのお役に立てれば、とレスリー・キーさんが親しい人たちに呼びかけ、今回のプロジェクトが始まったそうです。

 SDGsの17目標と169のターゲットは、国連広報センターの公式サイトに日本語訳で紹介されています(ファクトシート)
 http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/15775/

 目標はそれぞれが独立して存在しているわけではなく、相互に影響し、重なりあい、つながりを持っています。中でも以下の4目標はHIV/エイズ対策と大きな関わりのある項目として、6月にニューヨークで開かれた「エイズ終結に関する国連総会ハイレベル会合」の政治宣言でも取り上げられました。

 目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
 目標5:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
 目標10:国内および国家間の不平等を是正する
 目標16:持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

 こうしてコミュニティアクションのサイトで紹介するのも何かの縁。エイズ対策にもこの際、『恋のブギウギトレイン』を大いに活用させていただきましょう。