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実施報告その1(第29回日本エイズ学会プレイベント)

 TOKYO AIDS WEEKs 2015の実施報告です。2015年11月28、29日の第29回日本エイズ学会プレイベントとそれ以外のイベントの2部に分けてご報告します。


第29回日本エイズ学会プレイベント
2015年11月28日(土)、29日(日)
会場:国立国際医療研究センター(東京都新宿区戸山1-21-1)
 第29回日本エイズ学会学術集会・総会(11月30、12月1日、東京ドームホテル)の開催に先立ち、2日間にわたって関連イベントとして別会場で実施された。

◎血液製剤によるHIV陽性者に聞く〜どのように福祉、医療体制を切り開いたのか
日時:11/28 10:30〜12:00
会場:5階大会議室
参加人数:52
 はばたき福祉事業団の大平勝美さんをゲストにお招きし、生島さんの司会進行にて薬害エイズ事件とその後の医療・福祉などについてうかがった。参加者の中には薬害エイズ当時は生まれていなかった学生の方などもおられ、薬害エイズ事件の話を当事者から直接聞く貴重な機会となった。

◎平成27年度新宿区性感染症予防講演会「近年増加傾向にある性感染症の最新治療と予防」
日時:11/28 10:30〜12:00
場所:4階セミナー室
参加人数:29
 男性の当事者や関係会社の職員等の聴講が見受けられた。若い女性の参加者も多かった。実施後アンケートの満足度は大変高く、アンケート回答者25名中24名が大変満足と回答していた。また、梅毒のみが爆発的に増加しており、他の性感染症は横ばいか減少傾向にあることなど新しい知識が得られたとの回答が多く寄せられた。

◎ナルコティクス アノニマス(NA)セクシュアルマイノリティ・オープンスピーカーズミーティング
日時:11/28 12:45〜14:15
会場:5階大会議室
参加人数:74
 薬物依存の経験を持つメンバーが自らの経験や回復について話をした。ふだんはクローズドの会合を公開するかたちで実施。質疑などは行われず、自らの話をすることに重点が置かれ、それを聴く人が受け止めていく運営のあり方は他分野の会合においても、重要な選択肢になりうることが認識された。

◎HIV陽性者の高齢化、その課題とサポート
日時:11/28 12:45〜14:15
会場:4階セミナー室
 孤立、介護、認知症、貧困などの課題や成年後見による支援について、行政書士でNPO法人パープル・ハンズの事務局長である永易至文氏が話をした。

◎Gay Men's Chorus for Tokyo AIDS Weeks 2015ミニコンサート
日時:11/28 14:15〜15:00
会場:外来吹き抜けロビー
参加人数:非常に多数(計測不能、ざっと400人)
 プレイベントのために結成された30名のゲイ合唱団が胸にレッドリボンを着けて登壇し、「どんなときも」「クライム・エブリ・マウンテン(サウンド・オブ・ミュージックより)」「見上げてごらん夜の星を」など猛練習の成果を披露した。また、長谷川博史氏(NPO法人日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス)による詩の朗読が行われた。
 外来吹き抜けロビーでは28、29日の2日間、「OUT IN JAPAN」の写真展も開催された。

◎映画上映会「We Were Here あの頃、僕らは — いま、語られるエイズの記憶」
日時:11.28 15:00〜17:00
会場:5階大会議室
参加人数:154人
 オープニングスピーチでは主催者として公益財団法人エイズ予防財団、宮田一雄理事があいさつし、直前のコーラスイベントにおける長谷川博史さんの詩の朗読にも言及した。
 上映後は1989年からサンフランシスコで生活されていたUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)の鬼塚直樹さんと映画祭の宮沢英樹代表によるトークショーを開催した。鬼塚さんからは1980年代前半に滞在していたハワイから見た当時の様子、コミュニティに関わる話から、SFで死にゆく人を看取りながらも活動している個人的な話まで、当時のリアルで貴重な体験をお話しいただいた。

◎LGBTとHIV
日時:11/28 17:30〜19:00
場所:5階大会議室
参加人数:102人
 現在さまざまなかたちでLGBT関連の活動をされている4名とHIV領域で長年MSMに関する研究を重ねてきた2名をパネリストに、HIVに関する調査から見えるLGBTの課題などについてディスカッションを行った。ひとつ前のプログラムである映画の内容ともリンクし、セクシュアルマイノリティのコミュニティとHIVという視点での意見交換ができた。

◎「格差を乗り越えて取り組む〜在日外国人のエイズ」シンポジウム
日時:11/29 10:30〜12:00
会場:5階 大会議室
参加人数:75
 外国人HIV対応の最前線で取り組んでいる3人のスピーカーがそれぞれの取り組みなどを発表した。沢田貴志氏(シェア、港町診療所)は近年の外国人のHIV動向、岩木エリーザ氏(CRIATIVOS Projeto Saude代表)は神奈川県におけるラテンアメリカ人支援の取り組みと在日外国人当事者としての見解、プラー ポンキワラシン氏(CHARM外国人陽性者支援・多言語環境整備担当)はタイのサムットサコーン県におけるOne Stopサービスを通じた外国人労働者への医療支援の取り組みについて紹介した。司会は青木理恵子氏(CHARM事務局長)が務め、質疑応答や在日外国人の今後の対策の方向性についての意見交換を行った。
 アンケート(38通回収)の集計では、全体として『在日外国人のHIV/AIDS医療の現状や課題がわかった』『医療通訳の重要性を感じた』といった声が多かった。また、HIV陽性者からは『当事者でも知らないことが多いので今回の参加をきっかけに色々と学んで行きたい』という感想もあった。

◎市民公開講座「HIV陽性者とメンタルヘルス〜薬物使用は生き辛さの現れか?」
日時:11/29 12:45〜14:15
場所:5階大会議室
参加人数:157
 厚生労働省の「地域においてHIV陽性者と薬物使用者を支援する研究班」の研究成果発表会。HIV陽性者を対象に1000人を超える規模で実施されたエイズ治療拠点病院外来受診者の調査、および陽性者参加型の大規模Web調査の結果が報告された。また、調査に基づく知見を踏まえ、薬物使用を含むメンタルヘルスを視野に入れたHIV陽性者支援の課題を検討した。

◎AV男優、セックスワーカーらによる、プロが教える楽しい性教育講座
日時:11/29 14:30〜16:00
会場:5階大会議室
参加人数:170人
 現役AV男優の森林原人、吉村卓、野島誠、ムータン各氏が出演し、性の健康や実践的性教育、性活相談について話をした。

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