2012年世界エイズデー 国内啓発キャンペーンテーマについて

キーメッセージ、および以下のコンセプトは、テーマの決定を受け、
コミュニティアクション2012実行委員会がまとめました。

【 現状認識 】
 厚生労働省エイズ動向委員会がまとめた新規HIV感染者・エイズ患者報告によると、平成24年第1四半期の時点で、国内の累積感染者・患者報告数が2万人を超えたことが明らかになりました。

 しかも、動向委員会報告のエイズ患者報告数は22、23年の2年連続で過去最高を更新しており、国内のエイズの流行は緩やかな拡大傾向を維持したまま継続していると判断せざるを得ません。

 一方で、HIV感染予防対策の基本となるHIV検査および相談件数はこの3年ほど減少ないしは頭打ちの状態で、流行が拡大しているにもかかわらず、エイズに対する社会的関心は大きく低下していることがしばしば指摘されています。

 そうした中で啓発キャンペーンを展開し、HIV感染の拡大を抑えるためには、エイズの流行が続いていることを基本的な認識として社会が共有し、そのうえでHIV感染の予防に必要な支援の枠組みを整えていくためのメッセージを伝えることが必要となっています。

【 テーマの趣旨 】
「“AIDS” GOES ON…」はまさしくその「続いている」という事実を直截に示したメッセージです。日本語でも「エイズは続いている」という極力シンプルなメッセージを加えました。社会的な関心が低下しているからといって、それでエイズの問題が解決されたわけではありません。現在も大きな課題を抱え、地道にHIV陽性者を支え続けている人、エイズ対策に取り組み続けている人がいます。「続いている」というメッセージを通してエイズに関する知識やHIV陽性者への理解が広がっていけば、エイズに影響を受けている人たちへの支援が予防意識の向上につながるようなかたちで、予防と支援を両輪とする対策が実現することにもなります。